ヒトの動きに合わせた介助技術 『貴方となら頑張れる!』と言われるケアサービスを目指して 芦原 大・清水 暁彦・宮寺 亮輔
ヒトの動きに合わせた介助技術 『貴方となら頑張れる!』と言われるケアサービスを目指して 芦原 大・清水 暁彦・宮寺 亮輔
本の詳細
「この患者さんにとって、もっと良い介助方法はないのかなぁ?」
「自分の介助で、利用者さんにもっと喜んでもらえないだろうか?」
医療や介護の現場で介護士や看護師として働く方には、ベッドから身体を起こしたり、ベッドから車いすの移乗介助をする時など利用者の身体に触れる時、ふっと心の中でこのような疑問を思ったことがあるのではないでしょうか。
本書では、利用者さんに適切な、喜ばれるような介助を目指し、〈人(=高齢者)の動きがどのように成り立っているか〉をポイントにその答えをご紹介します。
相手の動きを正しく介助するために、身体のどの部位が、どの順番で、どのように動いているか、一連の動作順序手順を知ることで、介助される側もする側も身体に負担なく、楽に動作が行える上、一つの動作をより細かく視る能力を高めることができます。
それによってその方に合った 介助を選択できるようにもなります。
日々の多忙な業務の中で、利用者さんと接する時間は限られています。その一度の介助をどのような視点で、どのように触れるか、全てはケアスタッフ 次第でその利用者の人生も変わってきます。本書が紹介する介助方法を通じて、多くの利用者に笑顔で「貴方に出会えてよかった!ありがとう!」と言って頂けることを切に願っております。
「はじめに」より
発売日:2024年6月1日
著者:芦原 大・清水 暁彦・宮寺 亮輔
サイズ:B5
ページ:126ページ
ISBN:978‐4‐910911‐23-6
著者略歴:
芦原 大(あしはら まさる)
株式会社KASHIRO 代表取締役/理学療法士、NICO株式会社 取締役、ケンブリッジ株式会社 専務取締役、株式会社スプラウト 社外取締役、一般社団法人国際日本医療技術協会 理事。2006年昭和大学保健医療学部を卒業後、医療法人鉄蕉会 亀田メディカルセンター リハビリテーション科に入職。2009年高齢者施設の経営と運営を学ぶため、社会福祉法人佳翔会の理事長秘書業務、特別養護老人ホームやデイサービスなどの実務を経験し、2012年医療法人けあき会にて介護老人保健施設の新規立ち上げに携わり、運営統括として顧客確保や人材育成等に従事する。2012年より主に介護士や看護師を対象に、身体介助やコミュニケーション等をテーマにした研修を行い、年間で100回を超える研修を行う。2018年「日本の介護サービスを世界ブランドにする!」をビジョンに株式会社KASHIROを設立し、有料老人ホームや訪問介護、訪問看護等のコンサルタント業務、また一般高校生やリハビリを学ぶ大学生、介護を学ぶ外国人等に高齢者介護の知識や技術を伝えながら、高齢者介護業界の仕事の魅力を発信している。
清水 暁彦(しみず あきひこ)
IMSグループ医療法人財団明理会行徳総合病院/理学療法士。2006年に昭和大学保健医療学部を卒業後、新葛飾ロイヤルクリニック、新葛飾病院、板橋中央総合病院、相原病院で勤務してきた。急性期から維持期の医療及び在宅支援の分野において、姿勢や環境設定を通して運動機能に着眼した理学療法を提供している。
宮寺 亮輔(みやでら りょうすけ)
東京都立大学・准教授、埼玉県リハビリテーションセンター 講師/作業療法士。2006年に昭和大学保健医療学部を卒業後、国際医療福祉大学大学院博士課程修了(保健医療学博士)。専門は身体障害領域の作業療法(日本作業療法士協会認定作業療法士)や福祉機器適応学(日本シーティング・コンサルタント)。転倒予防や上肢協調運動をテーマに12年にわたって地域在住高齢者を対象に研究を続けており、現在も地域在住高齢者の介護予防事業、発達障害児へのリハビリテーションなどにも取り組んでいる。日本シーティング・コンサルタント協会の学術局員として、2011年から「シーティング・コンサルタント」の育成を進めてきた。また、2015年より、日本作業療法士協会の教育部員として、作業療法士養成の教育の質向上に尽力している。
目次
目次
はじめに
第1章 介護サービスの事業背景
動作介助サービスの質とお客様の事前期待(ニーズ)
第2章 介助に必要な心理
お客様の「有難う」が生む勘違い:1援助1感謝
動作介助サービスは信頼関係を築くコミュニケーションの場
第3章 基本的な動作介助
身体介助の考え方と適切な介助の選択
1.身体介助の考え方
2.実際の介助の流れ
身体の触れ方
1.ヒトの体に触れることとは
2.『心地良さ』を生み出す方法とは
身体の動かし方
1.上手い介助方法に必要な3要素
2.重心と支持基底面とは
片足立ち
1.動作の段階分けをする
2.支持基底面の変化と重心の動きを理解する
3.重心の動きに合わせて介助する
4.姿勢と残存能力に応じた介助方法を選択する
第4章 生活動作の介助(姿勢編)
姿勢のみかた(寝ている姿勢,座っている姿勢,立っている姿勢)
1.姿勢とは
2.姿勢のみかたを理解する
良い姿勢・動きやすい姿勢
1.良い姿勢とは
第5章 生活動作の介助(動作編)
寝返り
1.動作の段階分けをする
2.支持基底面の変化と重心の動きを理解する
3.重心の動きに合わせて介助する
起き上がり
1.動作の段階分けをする
2.支持基底面の変化と重心の動きを理解する
3.重心の動きに合わせて介助する
立ち上がり動作・着座動作
1.動作の段階分けをする
2.支持基底面の変化と重心の動きを理解する
3.重心の動きに合わせて介助する
移乗動作
1.動作の段階分けをする
2.支持基底面の変化と重心の動きを理解する
3.重心の動きに合わせて介助する
歩行
1.動作の段階分けをする
2.支持基底面の変化と重心の動きを理解する
3.重心の動きに合わせて介助する
段差昇降
1.動作の段階分けをする
2.支持基底面の変化と重心の動きを理解する
3.重心の動きに合わせて介助する
第6章 生活動作の介助(環境編)
介助負担の軽減
1.身体介助の身体的負担を理解する
2.負担の少ない介助の工夫
福祉用具の活用
参考文献
著者紹介